通天閣・天下茶屋の民泊・一棟貸し|なんば2駅・関西空港から乗り換えなし
大阪の南の玄関口、天下茶屋。南海本線と地下鉄堺筋線が交わり、関西空港から乗り換えなしでたどり着ける数少ないエリアです。通天閣がそびえる新世界へは動物園前・恵美須町から歩いてすぐ。なんばへは南海で2駅。観光の中心に近いのに、一歩入れば商店街と銭湯が日常として残る住宅街で、夜は静かに眠れます。
通天閣——パリとエッフェル塔を足した、明治の塔
初代の通天閣が完成したのは1912年(明治45年)7月3日。設計は設楽貞雄で、その意匠は「パリの凱旋門の上に、エッフェル塔の上半分を乗せた」と形容されました。凱旋門の上にエッフェル塔が生えている——いま聞くと突飛ですが、当時の大阪が抱いていた「世界に追いつく」という気分が、そのまま形になったような塔でした。
名前をつけたのは儒学者の藤沢南岳。「天に通じる高い建物」という意味です。高さはおよそ75メートル。当時は東洋一の高さと謳われました。
この初代は現存しません。1943年(昭和18年)1月、足元にあった映画館から出た火が燃え移って塔が損傷します。ただ、直接の最期は火災ではありませんでした。修復されないまま、戦時下の金属類回収令によって鉄材が供出され、同年2月から解体されたのです。街のシンボルが、そのまま戦争の資材になりました。
いま建っているのは2代目、1956年(昭和31年)10月の完成です。地元の商店主たちが出資して再建しました。設計は内藤多仲——東京タワーや名古屋テレビ塔を手がけ、「塔博士」と呼ばれた人物です。高さは避雷針を含めて108メートル。つまりこの塔は、一度失われたものを、街の人たちが自腹で建て直した塔ということになります。
ビリケンさん——アメリカ生まれの神様が、なぜ大阪にいるのか
通天閣といえば、足の裏を掻くと願いが叶うといわれるビリケンさん。実はこの神様、日本生まれではありません。1908年、アメリカ・ミズーリ州カンザスシティの美術教師でイラストレーターだったフローレンス・プレッツがデザインし、意匠特許を取得したキャラクターです。名前は当時の大統領ウィリアム・ハワード・タフトの愛称「ビリー」に由来するといわれます。
大正の初め、この流行が日本に伝わり、初代通天閣のふもとにあった遊園地ルナパーク内の「ビリケン堂」に安置されました。ところが1923年にルナパークが閉園すると、ビリケンさんは行方不明になってしまいます。
復活したのは1979年。通天閣の展望階に2代目が復元され、2012年、初代通天閣の建設から100年の節目に3代目へと交代しました。アメリカで生まれ、大阪で一度消え、半世紀後に彫り直されて戻ってきた——ビリケンさんの足の裏を撫でるとき、そういう来歴の神様だと思うと少し面白い。
新世界——パリとニューヨークを、一つの街に同居させた
新世界の「まち開き」は1912年7月3日、通天閣とルナパークが同日に開業した日です。この土地は、1903年(明治36年)の第5回内国勧業博覧会の跡地でした。5か月で530万人を集めた博覧会が終わり、広大な空き地が残ったところに、当時としては破格の都市計画が実行されます。
街の北半分はパリ。南端中央に円形広場を置き、そこから北へ3本の放射状の道路をパリの街路に見立てて配置しました。西から「恵美須通(現在の通天閣本通)」「玉水通(現在の春日通)」「合邦通」。その放射の要にエッフェル塔を模した通天閣が立つ——つまりあの塔は、パリの街並みの延長として設計されていたわけです。
街の南半分はニューヨーク。ニューヨーク・コニーアイランドの同名施設にならった遊園地「ルナパーク」が置かれました。敷地は約13万平方メートル、動物園や温泉、劇場、活動写真館を備えた一大娯楽施設です。通天閣とルナパークの間はロープウェイで結ばれていました。
パリとニューヨークを一つの街に同居させる。いま歩くとレトロな下町ですが、成り立ちは明治の大阪がつくった巨大テーマパークでした。ルナパークは期待ほどの人気を保てず1923年に閉園、戦後の1947年頃から闇市と飲食店街として再生し、いまの新世界になっていきます。
ジャンジャン横丁と、串カツの「二度づけ禁止」
新世界の南東に、幅約2.5メートル・全長約180メートルという極端に細長いアーケードがあります。通称ジャンジャン横丁、正式名称は南陽通商店街。名前は昭和の初め、客引きのために店先で鳴らされた三味線の「じゃんじゃん」という音に由来するといわれます(諸説あります)。串カツ、どて焼き、立ち飲み、そして囲碁・将棋クラブが軒を連ねる、一本道の密度がすごい商店街です。
ここで避けて通れないのが串カツの「二度づけ禁止」。観光客が真っ先に教わるルールですが、理由はごく実務的です。ソースの容器を客が共用しているから——一度口をつけた串を再び容器に入れない、という衛生上の約束事です。
ではソースが足りないときはどうするか。無料で置かれているキャベツでソースをすくって、串にかける。これが作法です。そもそもキャベツが添えられるのは、揚げ物の重さを和らげるためでもあります。
大阪の串カツは、牛肉や魚介、野菜を小ぶりに切って一本ずつ串に刺したもの。関東の「豚肉と玉ねぎを交互に刺す串カツ」とは別の食べ物です。1929年(昭和4年)、新世界の店の女将が近隣の労働者のために一口大の串揚げを供したのが始まりとされますが、これは伝承として語られているものです。
天王寺動物園——都心のど真ん中にある、100年の動物園
新世界のすぐ隣が天王寺動物園です。開園は1915年(大正4年)1月1日、上野動物園・京都市動物園に次いで日本で3番目に開かれた動物園でした。敷地は約11ヘクタール、飼育規模は約200種・約1,000点にのぼります。
特徴は、1990年代後半からの「ZOO21計画」で進められた生態的展示への転換です。動物を檻に入れて並べるのではなく、生息地の環境をできる限り再現する方向へ舵を切りました。アフリカサバンナゾーン、爬虫類生態館、そしてカバ舎には日本で初めての水中観察プールが設けられています。
都心のど真ん中、通天閣を見上げる位置にこの規模の動物園があること自体が、この街の面白さです。小さなお子様連れのご家族が、午前中に動物園、午後に新世界、という組み立てをしやすいエリアでもあります。
阪堺電車——大阪でただ一つの路面電車、通称「チン電」
このエリアを歩いていると、道路の真ん中を路面電車が走っていきます。阪堺電気軌道、地元では「チン電」と呼ばれる、大阪府内で唯一の路面電車です。
路線は2つ。阪堺線が恵美須町から浜寺駅前まで14.0キロ、上町線が天王寺駅前から住吉まで4.3キロ。起源はそれぞれ違い、上町線は1900年(明治33年)に大阪馬車鉄道が天王寺〜天下茶屋を開業したのが始まり、阪堺線は1911年(明治44年)の開業です。つまり120年以上、この街を同じ道筋で走り続けていることになります。
北天下茶屋、西天下茶屋、松田町、塚西、聖天坂——このエリアの停留場は、どれも住宅街の中にあります。当社のお部屋の多くはこの阪堺線沿線にあり、駅から徒歩数分。観光の移動というより、生活の足として電車が走っている風景の中に泊まることになります。
天下茶屋という地名と、住吉大社
「天下茶屋」という地名には、こんな話が伝わっています。天正年間、この地に芽木小兵衛という人物が茶屋を開きました。三代目の頃、住吉大社への参詣の途中に立ち寄った豊臣秀吉が、茶屋の清らかな泉を気に入り、千利休に茶を点てさせたところ味に感激。泉に「恵の水」の銘を与えたことから、「関白殿下の茶屋」「天下人の茶屋」と呼ばれるようになった——と伝えられています(史実として確定したものではありません)。
その秀吉が向かっていたとされる住吉大社へは、阪堺電車で行けます。摂津国一之宮、地元では「すみよっさん」。全国約2,300社の住吉神社の総本社で、本殿4棟は国宝。「住吉造」と呼ばれる、神社建築でも最も古い様式の一つを今に伝えています。
境内で目を引くのが、急勾配の反橋(そりはし/太鼓橋)。現在の橋は1981年の造営ですが、石造の脚と梁の部分は慶長年間のもので、豊臣秀頼の造営とも、淀殿の寄進とも伝えられています。この橋は渡ること自体がお祓いになるとされ、上りきると視界が開けます。
海の神・航海の神として信仰されてきた社で、初詣には三が日で約200万人が参詣します(住吉大社公式)。阪堺線の「住吉鳥居前」停留場を降りればすぐ目の前です。
アクセス
| 関西空港 | 南海本線「空港急行」で天下茶屋まで乗り換えなし |
|---|---|
| なんば・道頓堀 | 南海本線で2駅 |
| 通天閣・新世界 | 1〜2駅。動物園前・恵美須町の近くのお部屋からは徒歩圏 |
| 天王寺・あべのハルカス | 地下鉄・JRで数分 |
| 梅田方面(北浜・南森町) | 地下鉄堺筋線は天下茶屋が始発。座って移動できます |
| 住吉大社・堺 | 阪堺電車(路面電車)でのんびり |
荷物が多い到着日や、早朝・深夜便の日に「乗り換えなし」がどれだけ楽かは、実際に泊まった方からよく言われます。地下鉄堺筋線が始発である点も、朝の移動では効いてきます。
よくあるご質問
- 関西空港からどう行きますか?
- 南海本線の空港急行で、乗り換えなしで天下茶屋まで来られます。なんば方面行きに乗車し、天下茶屋で下車してください。
- 通天閣まで歩けますか?
- 動物園前駅・恵美須町駅の近くのお部屋からは徒歩圏です。天下茶屋からは1〜2駅になります。
- なんば・道頓堀までどのくらいですか?
- 南海本線で2駅です。夜遅くなっても電車で戻れる距離です。
- 夜は静かですか?
- このエリアのお部屋の多くは阪堺線沿いの住宅街にあります。繁華街から少し離れているため、夜は静かにお休みいただけます。
- 子ども連れでも大丈夫ですか?
- 天王寺動物園が近く、キッチン付きの一棟貸しが多いため、小さなお子様連れのご家族にもご利用いただいています。
- 何名まで泊まれますか?
- お部屋によって異なりますが、このエリアは一棟貸しが中心で、グループやご家族向けの広めのお部屋が多くあります。人数で絞り込んでお探しいただけます。
- 大きなスーツケースでも移動しやすいですか?
- 関西空港から乗り換えなしで到着できるため、乗り換えでの階段移動を避けられます。駅からお部屋までの経路はご予約後にご案内します。
- 住吉大社へはどう行きますか?
- 阪堺電車(路面電車)で「住吉鳥居前」停留場、または南海本線「住吉大社」駅が最寄りです。