住吉・南港の民泊・一棟貸し|1800年の住吉さんと、海を埋め立てた新しい島

大阪の南西、海に向かって開けたこのエリアには、時間の層がくっきり見えます。1800年、海の神を祀ってきた住吉大社の門前。造船所が並んでいた町が現代アートの街へと変わった北加賀屋。そして戦後、海そのものを埋め立てて造った人工島咲洲・南港。「海とともにあった土地」が、それぞれの時代の姿で残っています。繁華街の喧騒からは離れた住宅街で、夜は静かに眠れるエリアです。

住吉大社——海の神を祀ってきた、摂津国いちばんの社

地元で「すみよっさん」と親しまれる住吉大社は、摂津国一之宮。全国に約2300社ある住吉神社の総本社です。社伝では創建を神功皇后摂政11年(西暦211年)と伝えますが、これは伝承の域のもの。それでも、この社が海の神・航海の神として、途方もなく長く信仰されてきたことは確かです。

祀られているのは住吉三神と神功皇后。海を渡る者を守る神として、古くは大陸へ渡る使節が、出発前にこの社で航海の無事を祈ったと伝わります。港の近くに立つ社が「海の神」であること——大阪という街が海に向かって開いていた歴史が、そのまま神様の性格になっています。

そして境内で誰もが写真を撮るのが、急勾配の反橋(そりはし/太鼓橋)です。初詣には三が日で約200万人が参詣します(住吉大社公式)。その反橋のかたちにも、四棟並ぶ国宝の本殿にも、この社の古さがそのまま表れています。

反橋と住吉造——建築でたどる、日本最古級の社

境内でまず目に飛び込むのが、水面に姿を映す反橋(そりはし/太鼓橋)です。長さ約20メートル、中央の高さは約4メートル、傾斜はおよそ48度という、見た目以上に急な木の橋。半円を描いて反り上がるその形は、地上と神の世界をつなぐ「虹」にたとえられ、渡ること自体が心身を清めるお祓いになるとされてきました。上りきって振り返ると、境内がふっと足元に開けます。

いまの橋のもとが架けられたのは慶長年間(16世紀末〜17世紀初)と伝わります。誰が架けたかは記録に残らず、豊臣秀頼が奉納したとも、その母・淀殿が寄進したとも伝えられます(いずれも伝承で、諸説あります)。確かな史料の残らない話ではありますが、それだけ古くから人々の記憶に刻まれてきた橋だ、ということでもあります。

社殿そのものも見どころです。第一から第四まで四棟並ぶ本殿は、「住吉造(すみよしづくり)」という、神社建築でも最も古い様式の一つ。伊勢神宮の神明造、出雲大社の大社造と並ぶ古式とされます。屋根は桧皮葺の切妻、柱は朱(丹塗り)、壁は白(胡粉塗り)で、内部は外陣・内陣の二間に分かれます。四棟の並びも独特で、第一・第二・第三本宮が縦に一列、第三・第四本宮が横に並び、大海原をゆく船団のように配されています。海の神を祀る社らしい形です。現在の本殿は文化7年(1810年)の造営で、四棟すべてが国宝に指定されています。

この反橋は、文学にも刻まれています。川端康成は、この橋を舞台にした短編『反橋』(1948年)を書き、境内の南東にはその一節を刻んだ文学碑が立ちます。江戸の浮世絵『浪花百景』にも、反り上がるこの橋の姿が描かれました。1800年と伝わる時間の厚みを、橋と社殿の「かたち」からたどれる——それが住吉さんの奥行きです。

五大力・おもかる石・御田植——住吉さんの「作法」を歩く

住吉大社が面白いのは、境内のあちこちに具体的な「作法」が残っていることです。有名なのが五大力(ごだいりき)。本殿近くの五所御前(ごしょごぜん)という場所で、玉垣の中から「五」「大」「力」の三文字が書かれた小石をそれぞれ拾い、お守りにします。授かるのは五つの力——智力・体力・財力・福力・寿力とされます。願いが叶ったら、石を倍にして返すのが作法です。

本殿の南東約100メートル、大歳社(おおとしのやしろ)の境内にあるおいとしぼし社には、おもかる石があります。願いを込めて石を持ち上げ、その重さの感じ方で願いが叶うかを占う——大阪の街なかで、こういう素朴な占いが生きているのがこの社です。

毎年初夏に行われる御田植神事(おたうえしんじ)は、国の重要無形民俗文化財。境内の御田(おんだ)と呼ばれる約2000平方メートルの田で、古式そのままに稲を植える神事です。都心の神社が、境内に本物の田を持ち、田植えの神事を今も続けている——その規模と古式の保存が、国の文化財に指定されている理由です。

咲洲・南港——海そのものを埋め立てて造った、新しい島

住吉さんが「海に祈った時代」の土地なら、南港は「海を造り変えた時代」の土地です。咲洲(さきしま)・南港は、大阪湾を埋め立てて造られた人工島。地図で見ると四角く整った区画が海に浮かんでいますが、その全域が、もとは海でした。

この島のランドマークがさきしまコスモタワー(大阪府咲洲庁舎)。高さ約250メートル、日本でも有数の高さのビルで、55階の展望台からは大阪の市街地、周囲の山並み、そして晴れた日には淡路島まで見渡せます。足元が全部「造られた陸地」だと知って見下ろすと、大阪湾岸のスケール感がよくわかります。

島にはATC(アジア太平洋トレードセンター)やインテックス大阪といった大きな展示施設があり、見本市やイベントの拠点になっています。(具体的な催しや営業は時期で変わるため、公式情報をご確認ください。)展示会やイベントで南港を訪れる方にとって、このエリアに泊まれば会場まで近く、朝の移動が楽になります。

北加賀屋——造船の町が、現代アートの街になった

南港と住吉のあいだ、北加賀屋(きたかがや)は、この一帯でいま最も表情を変えつつある町です。かつては造船の町でした。運河沿いに造船所や倉庫が並び、船をつくる音が響いていた工業地帯です。

その造船が退いたあと、空いた大きな倉庫や工場が、現代アートの拠点として生まれ変わりました。いまでは約100人のアーティストがこの町に住み、40を超える創作の拠点があるといわれます。街を歩くと、建物の壁いっぱいの壁画や、路上のモニュメントに不意に出会います。

拠点の一つ千鳥文化は、食堂と、古道具やアーティストの作品を扱うショップ、そして現代アートの展示やパフォーマンスが行われるホールを備えた場所です。倉庫の高い天井や運河の風景がそのまま残る町なので、テーマパークとは違う、静かで実験的な大阪の一面に触れられます。観光地の喧騒に疲れた日の、良い寄り道になるエリアです。

少し足をのばして——長居公園、みどりとスタジアムの杜

海側の話が続きましたが、このエリアから内陸へ少し足をのばすと、大阪でも指折りの大きな公園があります。長居公園(ながいこうえん)。約65.7ヘクタールという広大な敷地に、競技場や博物館、植物園がまとまった総合公園です。開園は1944年(昭和19年)。都会のまん中とは思えない、深い緑の杜が広がります。

公園のシンボルが、サッカーファンにはおなじみのヤンマースタジアム長居(旧・長居陸上競技場)です。1964年に開場した、約4万7千人を収容する大きな競技場で、サッカーセレッソ大阪のホームスタジアムとして知られます。2007年の世界陸上競技選手権大会の主会場となり、2002年のサッカーワールドカップでも試合が行われた、国際大会の舞台でもあります。隣にはサブトラックのヤンマーフィールド長居もあります。

スポーツだけの場所ではありません。園内には、約1000種の草木を集めた大阪市立長居植物園と、大阪市立自然史博物館があります。化石や標本で生き物の進化と大阪の自然をたどれる博物館と、季節の花が咲く広い植物園は、雨の日にも、小さなお子様連れにも心強い行き先です。最寄りはOsaka Metro御堂筋線「長居」駅。試合観戦の日にも、公園でひと息つく一日にも、このエリアは拠点にしやすい場所です。

このエリアの見どころ

観光スポット

食べる

温泉

アクセス

住吉大社阪堺電車「住吉鳥居前」・南海本線「住吉大社」駅が最寄り
なんば・道頓堀Osaka Metro四つ橋線・南海本線で数駅
咲洲・南港(ATC・インテックス)ニュートラム・地下鉄中央線でベイエリアへ
天王寺・あべのハルカス阪堺電車・地下鉄で数分
関西空港南海本線で難波乗り継ぎ、またはベイエリア経由
USJベイエリア経由でアクセス

このエリアは繁華街から少し離れた住宅街です。展示会やイベントで南港を訪れる方、住吉大社の門前に泊まりたい方、静かな下町でゆっくりしたい方に向きます。なんばへは四つ橋線・南海で数駅と、ミナミへも出やすい位置です。

このエリアのお部屋

よくあるご質問

住吉大社へはどう行きますか?
阪堺電車(路面電車)の「住吉鳥居前」停留場、または南海本線「住吉大社」駅が最寄りです。このエリアのお部屋の多くから公共交通で向かえます。お部屋ごとの最寄駅は各ページに記載しています。
南港の展示会場(ATC・インテックス大阪)へは近いですか?
ニュートラムや地下鉄中央線でベイエリアの展示施設へアクセスできます。見本市やイベントで南港を訪れる際の拠点にしやすいエリアです。会場の催し・営業は主催者や施設の公式情報をご確認ください。
なんばまではどのくらいですか?
Osaka Metro四つ橋線や南海本線で数駅です。繁華街から少し離れて静かに泊まりつつ、ミナミへも出やすい位置です。
夜は静かですか?
このエリアは住宅街が中心で、繁華街の喧騒から離れています。静かにお休みいただけるお部屋が多いエリアです。
キッチンはついていますか?
お部屋によって異なります。一棟貸しではキッチン付きのお部屋が多くあります。設備は各お部屋のページでご確認ください。
何名まで泊まれますか?
お部屋によって異なりますが、一棟貸しではご家族やグループでの滞在に対応できるお部屋があります。人数で絞り込んでお探しいただけます。
北加賀屋のアートは誰でも見られますか?
街なかの壁画やモニュメントは歩きながらご覧いただけます。展示施設の公開状況は時期により異なるため、各施設の公式情報をご確認ください。
関西空港からのアクセスは?
南海本線でなんば方面へ出て乗り継ぐルートが一般的です。お部屋ごとの最寄駅からの経路はご予約後にご案内します。